Profile

精神科医Dr.Chikaの音楽制作所

Dr.Chika/小林知佳
医師・音楽家(作詞・作曲・編曲・鍵盤・ボーカル・DTM)
千葉大学医学部卒業。都内の認知症専門老人保健施設 施設長として認知症の方への診療と音楽療法に従事。ビートルズの影響を受けオリジナル楽曲の制作に取り組む。2015KORGキーボードLiverpoolデモンストレーター。

Dr.Chika/Chika Kobayashi(Lyrics,Composition,Arrangement,Keyboard,Vocal)
A psychiatrist working at a facility for the elderly with dementia in Tokyo.Also an artist creating instrumental&pop music, mostly influenced by the Beatles.

中学時代にビートルズの音楽に魅了され音楽活動の原点となる。
2007-2010 ビートルズのピアノ弾き語りやポップバンドのボーカル・鍵盤・作詞の活動を行った。
2014 ソロ・オリジナル楽曲(Pops)の制作開始。
2015 レノン・マッカートニーの楽曲に特化したKORGキーボード Liverpoolのデモンストレーターとして活動(ボーカル・鍵盤)
2018 精神科医Dr.Chikaとして眠りのためのオルゴール・ピアノ曲などBGMの制作を開始。また認知症重症者への個別音楽療法の取り組みを開始。

[プロフィール]
1984年10日20日生まれ 天秤座 O型
秋田生まれ、東京から静岡へ移住して育ち、千葉を経て東京に住んでいます。

[好きな音楽]
The Beatles/Cliff Richard&The Shadows/Kinks/Rolling Stones/James Taylor/1910 Fruitgum Company・・など、1960年代のイギリス・アメリカの音楽が特に好きです。

[取り組んでいる活動]
(1)オリジナル楽曲の制作
・眠りのためのオルゴール曲/ピアノ曲
・アップテンポインストゥルメンタル
・Pops
音楽ストアやYoutubeで配信を行なっております。

(2)ビートルズなどカバー音源の制作
カバー音源を制作し、Youtubeで公開しております。

(3)認知症重症者への個別音楽療法
従来の音楽療法は、リハビリやレクリエーションに参加できる方を対象に、集団で行うものが一般的ですが、認知症が重症の方では、そもそも参加することが困難である場合が多くなってきます。
米国で行われている個別音楽聴取(PML:Personalized Music Listening)は個々人の思い出の曲をヘッドフォンで聴取する方法です。認知症専門床に入所される、多くの利用者様に思い出の曲を聴いて頂き、問題症状の改善やQOLの向上が見られています。

(4)認知症が軽症/中等症の方への集団音楽療法(演奏会)
リハビリやレクリエーションに参加できる方を対象に、施設内で演奏会を行っております。
利用者さんの状態や季節の行事に合わせた内容で、作業療法士さんと一緒に伴奏などをしています。

【ご挨拶】
WebSiteを訪れていただきまして、どうもありがとうございます。

私は都内にある認知症専門の老人保健施設へ勤務しております。認知症やその他の精神疾患を患い、ご自宅で生活されることが困難である高齢者の方々への診療や、認知症重症者への音楽療法を行っております。また、楽曲制作を中心とした音楽活動を行なっております。

♦︎認知症診療と音楽活動の経緯
私は中学生の時にアメリカの医療ドラマ・ER緊急救命室を見て、医者に憧れるようになりました。また同時期にふと洋楽が聴きたいと思い、高校の英語教師で音楽好きの父に昔の洋楽のレコードからカセットテープを作ってもらったのですが、思いの外気に入って何度も聴いているうちに、ビートルズに強く惹かれるようになりました。

それからは自身の世代の流行はそっちのけで、ビートルズの虜になり、ピアノの先生にお願いをして自分はクラシックではなくビートルズの曲を弾かせてもらうようになりました。

中学高校時代は受験勉強に追い詰められてしまい、ただ勉強をして、勉強の合間にビートルズを聴くといったような、非常に偏った状態となっておりました。

大学に入ると、それまでの抑圧から解放された反動で、逆に勉強に身が入らず、アルバイトをして週末に音楽スクールに通ったり、鍵盤のコードを覚えたり、ポピュラーミュージックの作曲の本を読んでみたりと多くの時間を音楽のことに熱中して過ごしました。

2007年からビートルズ好きが集まるライブバーを中心にビートルズの楽曲のピアノ弾き語りカバーの活動を始め、その繋がりで知り合った方々とのポップロックのバンド活動を通して作詞作曲を始めるようになりました。スタジオ練習やレコーディング、インディーズレーベルからCDリリースなど音楽制作の基本の流れを経験させていただきました。
自分でも音楽を表現したい衝動に駆られ、浮かんだメロディーをボイスレコーダーに録音したり、DTMでデモを作ってみたりしていました。

学業の方は、なかなかやりたいことが具体的に決まらずに、いつしか音楽に没頭してしまい、医学部を卒業した時には自分が何がしたいのか、見失ってしまっていました。そのため一度、勉強も音楽も離れて、違う世界を見ることで人生を根本から見直そうと思い、クリエイティブな分野に関わってみたい気持ちから、外資系出版社のデアゴスティーニ・ジャパンに入社して、1年ほどIT部門でアルバイトをしました。
こういった時期を、モラトリアムとか、精神科の用語では放浪歴ともいうそうですが、自分にとっては、大変貴重な経験となりました。

また、私は精神科医になって自分でも気がついたところがあったのですが、いわゆる大人の発達症の傾向もあるようには感じております。例えば、興味をもったものへの強いこだわり、好きなことに没頭する、環境が合わないとストレスを感じやすい、などの特性のことです。そうした観点で振り返ると、ビートルズにハマったり、受験勉強の虫になったり、曲作りに没頭したり、あるいは大学以降に適応障害を起こしてしまったことなども後々には説明がついたりしたところもあります。

そのようなモラトリアムの状態から、デアゴスティーニのアルバイトで自分を取り戻すことができ、会社を辞めて勉強を再開し、その後無事に研修医として都内の病院で働くことを始めました。

その間も、音楽で何かを表現したい思いはずっと持ち続けていましたが、次第にDTMでの音楽制作に興味を持つようになり、それまでに書き溜めていた曲の録音・編集を始めました。音源とプロモーションビデオを制作してYouTubeに公開するなど、ポピュラーミュージックの制作活動を行いました。

またビートルズのピアノ弾き語りカバーの演奏も再開していたところ、2015年に発売されたレノン・マッカートニーの楽曲に特化したKORGのキーボード「Liverpool」のデモンストレーターとしてお声がけをいただき、イベント会場や楽器店等でレノン・マッカートニーの楽曲のボーカル・鍵盤演奏とともに、商品の紹介をさせていただきました。ビートルズが仕事になった、嬉しい経験です。

研修病院の近くにあった、現在の勤務先である精神科の病院は、新しいことに積極的に取り組む気風があり、幸いにも、紆余曲折を受け入れてもらえました。

このような経緯で2016年から、認知症やその他の精神疾患をもつ高齢者の方が100名近く入所されている老人保健施設で、利用者さんたちの診療や音楽療法を始めました。親しく接してくれる利用者さんたちに、私の方が、救ってもらったように感じました。認知症の方の余生を充実させるために、頑張りたいと思いました。

施設の医療は病院とは異なり、必要最低限の設備で、利用者さんの健康の維持や施設生活を支えるための総合的なものです。また認知症のご病気の特性上、精神面のケアはもちろんですが、重症になると身体的な不調も起こってきます。また何を話しても、すぐに忘れられてしまい、毎日会っていても、初めて会うように、接してもらったりします。しかし認知症が進行した中でも、それぞれの方の個性が見られ、利用者さんと過ごす時間はとても楽しいです。

施設での生活の時間をともにするので、一人一人の利用者さんのことをよく知るようになり、いろんな思い出もできます。介助を必要としながら一瞬・一瞬を生きている認知症の方々の余生を充実させられるかどうかは、こちらの働きかけ次第です。

私はようやく自分がやりたいことを見つけることができ、認知症の方々の診療を行いながら、お話しをしたり、一緒に音楽を聴いたり演奏したり、貴重な時間を過ごさせていただいています。

また、音楽活動については、学生時代から書き溜めていたモチーフを元に、眠りのためのオルゴール曲などの制作も開始し、現在はインストゥルメンタルとpop musicのジャンルでの楽曲配信を中心に、制作活動を行なっております。

利用者さんたちに支えられながら、今後も認知症診療と音楽制作に、最善を尽くしていきたいと思います。

今後とも、宜しくお願いいたします。

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